株式会社nonoi
Python

これだけ読めばPythonはできる:第1章 開発環境を整えてコードを動かす

今回のゴールは、作業フォルダを作り、そこに保存したPythonファイルを実行することです。画面に文字を出すだけですが、これからの開発で繰り返す「書く・保存する・実行する」の流れをここで固めます。

連載目次は第0章にあります。この章から読み始めても進められます。

用意するものは三つ

  • Python:書いたプログラムを実行するもの。
  • エディタ:コードを編集するもの。本記事ではVisual Studio Codeを使います。
  • ターミナル:実行コマンドを入力する場所。WindowsならPowerShell、macOSならターミナルを使います。

エディタにコードを保存しただけでは、プログラムは動きません。ターミナルからPythonを呼び、実行するファイルを指定します。

連載のコードはPython 3.12以降を対象にしています。導入時には、利用するライブラリが対応している正式版を選んでください。

Pythonを用意する

Windowsでは、Python公式のダウンロードページからPython install managerを導入できます。具体的な配布方法や設定は、公式のWindows向け案内に従ってください。導入後にPowerShellを開き直し、次を実行します。

python --version

既存の環境でpyが使える場合は、py --versionでも確認できます。複数のPythonがある場合は、これから使う版を確認してから仮想環境を作ります。

macOSでは、同じ公式ページからmacOS用インストーラーを導入し、ターミナルを開き直します。

python3 --version

Python 3.x.xと表示されれば確認できています。コマンドが見つからない場合は、再インストールを繰り返す前に、ターミナルを開き直したか、OSに合う手順を使ったかを確認しましょう。

続いてVisual Studio Code公式サイトからエディタを導入します。拡張機能の管理画面で、発行元がMicrosoftの「Python」拡張機能を追加しておくと、コードの編集や実行環境の選択を補助してくれます。

作業フォルダと仮想環境を作る

以下は、現在の場所にpython-workフォルダを作るコマンドです。作業用に選んだ場所で実行してください。

WindowsのPowerShellでは次のとおりです。

mkdir python-work
cd python-work
python -m venv .venv
.\.venv\Scripts\python.exe --version

macOSでは次のようにします。

mkdir python-work
cd python-work
python3 -m venv .venv
./.venv/bin/python --version

.venvは、この作業専用のPython環境です。後で追加するライブラリを別の仕事の環境と混ぜずに管理できます。詳しい仕組みは公式の仮想環境ガイドでも確認できます。

-m venvは「指定したPythonで、venvという機能を実行する」という意味です。後で出てくるpython -m pipも同じ形で、そのPythonに対応したライブラリ管理機能を呼び出します。

最初のファイルを保存する

エディタでpython-workフォルダを開き、hello.pyを作ります。文字コードはUTF-8、ファイルの拡張子は.pyにしてください。

from pathlib import Path
import sys

print("Pythonで作業を始めます")
print(f"実行しているPython: {sys.executable}")
print(f"現在の作業場所: {Path.cwd()}")

保存後、先ほどのターミナルで実行します。

Windows:

.\.venv\Scripts\python.exe hello.py

macOS:

./.venv/bin/python hello.py

挨拶と二つのパスが表示されれば成功です。Pythonのパスに.venvが含まれることも確認してください。ここが違うと、ライブラリを追加した環境と実行する環境が食い違う原因になります。

以降の記事で使うコマンド

毎回長いパスを書く代わりに、仮想環境を有効にすると、pythonという短い名前で呼べます。

Windows:

.\.venv\Scripts\Activate.ps1
python hello.py

macOS:

source .venv/bin/activate
python hello.py

Windowsでスクリプト実行の制限により有効化できない場合は、前節の.venv内の実行ファイルを直接指定すれば作業できます。会社の端末設定を変更する必要はありません。

以降の記事のpythonは、この仮想環境のPythonを指します。 有効化していない場合は、OSに合わせて.\.venv\Scripts\python.exeまたは./.venv/bin/pythonに置き換えてください。新しいターミナルを開いたら、再び有効化するか、直接指定します。

エディタ側でも、コマンドパレットの「Python: Select Interpreter」から、このフォルダの.venvを選びます。表示名はエディタの言語設定などで異なる場合があります。

うまく動かないときに見る場所

  • can't open file:今いるフォルダと、保存したファイルの場所が一致しているか確認します。
  • ファイルが見つからない:hello.py.txtになっていないか、保存済みか確認します。
  • >>>が表示される:Pythonの対話画面にいます。exit()で戻り、ターミナルに実行コマンドを入力します。
  • 変更が反映されない:編集したファイルを保存し、同じファイルを再実行しているか確認します。

まずprint()の文章を変え、保存して再実行してください。画面の表示が変われば、基本の作業サイクルはできています。

前の記事:第0章 / 次の記事:第2章 最初の実用ツールを作る(公開準備中)